香水とアクセサリーはどちらが先?|変色を防ぐつける順番と、香水がかかりにくい場所
八月も後半になると、夕方の風がすこしだけ軽くなります。
汗のことを気にしなくてよくなってきたので、夏のあいだ置きっぱなしにしていた香水を、また使ってみようという気持ちになりました。
それで久しぶりに首筋へひと吹きして、そのままネックレスに手を伸ばしたところで、動きが止まりました。
これ、順番はどちらが正しいのだろうと思ったんですよね。
今日は、香水とアクセサリーのつける順番の話を書こうと思います。
どうして香水でアクセサリーが変色するのかという話と、素材ごとの強さと、そもそも香水がかかりにくい場所の話まで。順番に見ていきます。
結論から書きます。香水が先で、アクセサリーが後です
迷ったときは、これで大丈夫です。
香水を先につけて、乾いてから、アクセサリーを着ける。
逆にすると、噴きだした霧が金具に直接かかります。
しかも、そのまま一日ずっと身につけていることになるので、いちばん避けたい形になります。
外すときは逆です。アクセサリーを先に外します。
香水は肌から抜けるまでに時間がかかるので、金具のほうを先に逃がしてあげる、という考え方です。
着けるときは香水が先、外すときはアクセサリーが先。覚えることはこれだけです。
どのくらい待てばいいのか
私の場合は、一分から二分くらい置いています。
手の甲に一滴かけてみると分かりやすいのですが、アルコールが飛んでいく時間はそのくらいです。
指で軽く触れて、ひやっとしなくなったら乾いた合図、という感じで見ています。
時計で計るのは面倒なので、あいだに服を着る動作を一つはさむことにしました。
香水、服、アクセサリー。この並びにしておくと、待ち時間を意識しなくても自然に乾きます。
香水でアクセサリーが傷むのは、二つの条件が重なったときです
順番の話だけで終わらせずに、どうしてそうなのかも書いておきます。
起きていることを分解すると、必要な条件は二つだけです。
一つめは、香水の中身が、金属の表面をおおっている膜をゆるめることです。
香水は、香料をアルコールで溶かした液体です。香料そのものには油分もあります。
いっぽうアクセサリーの表面には、たいていの場合、目に見えない膜がのっています。
メッキだったり、透明なラッカーだったり、手で塗った絵の具だったり、石をとめている接着剤だったりします。
その膜が、アルコールと油分に長いあいだ触れているとゆるみます。膜がゆるむと、下の金属が空気とじかに触れるようになるので、そこから曇りが始まります。
二つめは、香水がかかる場所と、金具の居場所が重なることです。
香水をつける場所として案内されるのは、耳の後ろ、首筋、手首、うなじのあたりです。
ここは、ピアスとネックレスとブレスレットの指定席と、そっくり同じ場所です。
変色が起きるのは、この二つが重なったときだけです。
言いかえると、どちらか片方を消してしまえば済みます。この記事の後半は、その二つ目を消す話です。
作り手のほうも、ちゃんと書いていました
思いつきで書いていないことの裏を取っておこうと思って、当店の商品説明を「香水」という言葉で全文検索してみました。
千九百点あまりのなかで、出てきたのは四点だけでした。
そのうち三点に、まったく同じ一文が入っていました。
「入浴時や就寝時は外してください。化粧品や香水など、化学製品との接触は避けてください。」
三点はブランドがばらばらです。「気まぐれな距離 ネックレス」と、Luccicaの「spring has come ピアス」と、Palnart Pocの「グラフティ ピアス」でした。
別々の作り手が、同じところを気にしていたことになります。
化粧品と香水が並べて書いてあるところが、私は大事だと思っています。
日焼け止めもファンデーションもハンドクリームも、油分がのっているという点では香水と同じ側にいます。
お風呂と就寝時のことはアクセサリーはつけたまま寝てもいい?お風呂は?に別に書きました。
残りの一点は注意書きではありませんでした。それは記事の後半でご紹介します。
素材ごとの、香水への強さ
弱いほうから並べてみます。
いちばん弱いのは、接着でとめてある部分と、樹脂やパールです。
アルコールは接着剤をゆるめるので、石が落ちる原因になります。パールは表面の層が薄いので、曇るとほとんど戻せません。
次に弱いのが、色を塗ってある品です。ラッカー、エポキシ樹脂、アクリル絵の具のあたりです。
たとえば当店のLuccica「ヒルシュ ブローチ」は、素材欄に「ガラス、合金、ラッカー、エポキシ樹脂、アクリル絵の具」とそのまま書いてあります。二千五百三十円(税込)、鹿の顔で三・〇センチ×二・一センチ。
こう書いてあるものは、香水が直接かかると艶が落ちることがあります。
その次がメッキです。膜そのものが薄いので、こすれと重なると地の色が出てきます。
真鍮は、もともと空気だけでも色が変わっていく素材です。香水で早まる、という言い方になります。真鍮の性質は真鍮アクセサリーのお手入れ方法にまとめてあります。
いちばん強いのがシルバー925です。曇っても、磨けば元に戻せる素材だからです。詳しくはシルバーアクセサリーのお手入れ方法に書いています。
ピューターについてはピューターってなに?をどうぞ。
かぶれのほうが心配な方は金属アレルギーとアクセサリーの素材も合わせてご覧ください。
香水をつける場所を変えると、それだけで解決します
ここからが、二つめの条件を消す話です。
順番を守るより、場所を変えるほうがはるかに簡単でした。
香りは体温であたためられて下から上へのぼるので、腰のあたり、膝の裏、足首につけても十分に香ります。
私の場合は、腰の後ろに一吹きです。
耳の後ろと手首をやめただけで、ピアスとブレスレットは香水と出会わなくなりました。
髪にかける方法もよく聞きますが、これは考えものだと思っています。
髪が乾燥しますし、長い髪だとイヤリングやネックレスに毛先が触れます。イヤリングの金具の話はイヤリングがゆるい・落ちる時の締め方にまとめてあります。
服に直接かけるのも、シルクなど素材によってはしみになるので気をつけてください。
それでも、かかってしまったときは
気づいた時点で外します。
乾いたやわらかい布で、押さえるように水分を取ります。こするのは避けてください。塗ってある品はそこで色が動きます。
水で洗い流すのも、私はしないようにしています。
石の裏や金具のすき間に入った水のほうが、あとから残って困るからです。
シルバーなら、曇ってしまってもシルバークロスで磨けば戻ります。
塗ってあるものは戻らないことがあるので、拭くのを早くすることが唯一の対処になります。
外したあと、どこに置くか
これはうっかりやりがちなことなのですが、洗面台の上に置きっぱなしにするのは避けたいところです。
洗面台は、化粧水も日焼け止めも香水も、細かい霧になって漂っている場所です。
湿気もいちばん多いので、変色の条件が三つそろってしまいます。
部屋のほうに小さな受け皿を一つ置いて、そこに戻すようにしてから、曇りかたが変わりました。
しまい方の詳しい話はアクセサリーの保管方法に、旅行に持っていくときの入れ方はアクセサリーを旅行に持っていくにはに書いています。
香水を毎日使う人に向いているのは、肌から離れているものです
前半に書いた二つの条件で選び直すと、答えははっきりしています。
二つめの条件が最初から成立しないのは、ブローチとチャームです。
服の外側、鞄の持ち手、ファスナーの引き手、鍵。どれも首筋にも手首にも耳の後ろにも触れません。
そのうえで、一つめの条件にも強い素材を選ぶ。つまり塗膜のないシルバー925です。
この両方を満たしているものが、当店に一点だけありました。
しかも、先ほどの検索で出てきた四点目が、ちょうどそれでした。
今日ご紹介したいのは、この小さな鏡台です
Nick Hubbard(ニック・ハバード)の「バニティーボックス シルバーチャーム」です。六千六百円(税込)。
バニティーボックスというのは、化粧道具を入れておく小さな箱のことです。
大きさは約十ミリ。指先にのってしまう寸法です。

側面に唐草の模様が彫ってあって、上に丸い蓋がのっています。
これだけ見ると、古い時代の小箱にしか見えません。
Nick Hubbardは英国生まれのシルバーチャームのブランドで、小さな箱のなかに仕掛けを一つずつ入れるのが得意です。ほかの品はピアノテディ シルバーチャームやエンジェルホーン シルバーチャームでご紹介しています。
蓋を開けると、中に香水瓶が入っています
蓋は蝶番でつながっていて、指で持ちあげると開きます。

中から出てくるのは、細い首の香水瓶です。
箱の底に置いてあるのではなく、蓋の裏側にぶら下がっている作りになっています。
蓋を開けると瓶が持ちあがってくる、という動きです。
十ミリの箱の中でこれをやっているのが、どうにも英国らしいと思いました。
底に「Perfume」と彫ってあります
裏返すと、底面に筆記体で文字が入っています。

「Perfume」、つまり香水です。
この箱は香水専用の入れ物だった、という設定になっているのだと思います。
身につけているあいだ、いちばん見えないところに書いてあるのがいいなと思いました。
当店の千九百点あまりを「香水」で引いて、注意書きではない形で出てきたのは、この一点だけでした。
シルバー925は、曇っても磨けば戻ります
素材は925スターリングシルバーです。銀が九十二・五パーセント入っています。
シルバーが黒っぽくなるのは硫化といって、表面だけで起きている変化です。
だからシルバークロスで磨けば、元の白い色に戻ります。
そしてこの品には、色を塗ってある部分がありません。
アルコールに溶ける膜がそもそも無い、という言い方ができます。
香水と同居できる数少ない素材、というのがシルバー925への私の評価です。
ただし彫りの溝には汚れがたまりやすいので、そこは柔らかい布の角で押さえるようにしています。
鞄につけるか、ブレスレットに通すか
チャームなので、上の丸カンで好きなところに下げられます。
鞄の持ち手、ファスナーの引き手、鍵、手帳のリング。このあたりが定番です。
この置き場所なら、香水を耳の後ろにつける習慣を変えなくても、金具とは出会いません。
ブレスレットに通す場合だけは手首に来るので、そこは香水の位置をずらしてあげてください。
丸カンを開いて別のチェーンにつけかえる方法はネックレスのチェーンが外れた・切れた時の直し方に書きました。
チェーンの長さで迷ったらネックレスの長さの選び方もどうぞ。
在庫は三点です。英国から少しずつ入ってくる品なので、まとめて並ぶことがありません。
香水の日に着けやすい、そのほかのもの
同じ考え方で選べるものを、いくつか並べておきます。
当店のオリジナル「一番星 ピンブローチ」は二千八百六十円(税込)。星を抱いたはりねずみで、一・五センチほどの大きさです。
色は一つずつ手で塗ってあるので、香水が直接かかると弱いほうの品になります。
ただ、これは服や帽子につけるものなので、そもそも噴きだした霧の通り道にいません。二つめの条件のほうを消してくれます。物語のほうは抱きしめているのは、小さな星に書きました。
同じ形の「一番星 ピアス」は三千三百円(税込)。こちらは耳もとに来るので、香水は腰か足首にまわしてください。
Luccicaの「ヒルシュ ブローチ」は二千五百三十円(税込)。鹿の顔で三・〇センチ×二・一センチ。素材欄に塗料の名前を隠さず並べている品です。
ブローチの留め方や、重くて垂れてしまうときのコツはブローチのつけ方にまとめてあります。
シルバーのチャームでいうと、同じNick Hubbardの「リンゴハリネズミ シルバーチャーム」が三千九百六十円(税込)。縦約十二ミリ、横九ミリ。りんごを背負ったはりねずみです。
当店オリジナルの「スキニーギニアピッグ バッグチャーム」は二千九百七十円(税込)。モルモットが縦二十一ミリ×横十二ミリ、チェーンが十七センチで、ブレスレットとしても使えます。
どうしてもピアスがいいという日には、シルバー925の「シンプルネコ ピアス」が二千七百五十円(税込)。猫の前後が十二ミリの小ぶりな一点です。塗装がないので、曇っても磨けば戻ります。
キャッチが落ちやすいのが気になる方はピアスのキャッチが落ちる・なくしたときはもご覧ください。
贈りものとして探している方は誕生日プレゼントに贈りたいアクセサリー十二選と動物好きさんへ贈りたい、いきものモチーフのアクセサリーにまとめてあります。猫が好きな方へは猫好きさんへ贈りたい、猫モチーフアクセサリー十選をどうぞ。
おわりに
香水、服、アクセサリー。着けるときはこの順番で、外すときは逆から。
それだけでも、変色はずいぶん減ります。
もっと効くのは、香水をつける場所を耳と手首から下へずらしてしまうことでした。
条件が重ならなければ、順番を気にする必要さえ無くなります。
秋物のニットを出す時期になったら、引っかかりのほうも気になってくると思います。そのときはニットに引っかからないアクセサリーの選び方と絡まったネックレスのほどき方を合わせてどうぞ。
香りをまとった日に、蓋を開けると香水瓶が出てくる小箱を鞄に下げている。
誰にも気づかれない種類の楽しみですが、こういうのが私はいちばん好きです。
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