ピアスの穴が伸びるのはなぜ?|重いピアスで下がってくる理由と、在庫620点の重さを調べた選び方
夏のあいだ、同じピアスをつけっぱなしにしていました。
九月になって、そろそろ別のものに替えようかと鏡を見たんですよね。
穴の位置が、去年より少し下にある気がしました。
気のせいかもしれません。
ただ、「ピアスの穴が伸びてきた」というご相談は、毎年この時期に増えます。夏に軽い装いで過ごした反動で、秋から少し大ぶりのピアスに戻る方が多いからだと思っています。
今日は、ピアスの穴が伸びる・下がってくるという話と、それを防ぐために何を見て選べばいいのかを書こうと思います。
当店の在庫にあるピアス620点を全部調べたので、その数字も一緒に置いておきます。
穴が伸びる、というのは何が起きているのか
ピアスホールは、皮膚がトンネルの形になって落ち着いたところです。
そこに毎日、下向きの力がかかり続けます。
力がかかるのは穴の下側の縁です。上側は空いているので、下だけがじわじわ押し広げられます。丸かった穴が、縦に細長い形へ変わっていきます。
これが「伸びる」と呼ばれている状態です。
穴そのものが下へ移動しているように見えるのは、穴の下の縁が薄くなって、その分だけ下へ広がるからだと理解しています。
一日二日でどうこうなるものではありません。何年もかけて、少しずつ進みます。だからこそ途中で気づきにくい、という厄介さがあります。
耳たぶは、皮膚と脂肪でできています。軟骨がありません。支えるものが何もないところに、金属をぶら下げていることになります。
なお、痛みや腫れがある場合は重さの話ではありません。それは皮膚科の領分だと思っています。ここで書いているのは、痛くはないけれど形が変わってきた、というほうの話です。
大きいから重い、ではありませんでした
「大ぶりのピアスは避けたほうがいい」とよく言われます。
私もそう思っていました。
今回、在庫を調べてみて、そこが違うと分かりました。
当店の在庫で一番重いと分かっているピアスは、長さ50mmで5g。一番軽いと分かっているものは、長さ4.5cmで片方1.6gです。
ほとんど同じ長さで、3倍以上の差があります。
もっと極端なものもありました。モチーフが20mmしかないのに、片耳4gあるピアスです。4.5cmのものより短くて、2倍以上重いという感じです。
大きさは、重さの目安になりません。
620点のうち、重さが書いてあるのは11点でした
では何を見れば分かるのか、と思って商品ページを数えました。
在庫のあるピアスは620点。そのうち、重さがグラムで書いてあるのは11点だけでした。
残りの609点には、重さの記載がありません。
サイズ欄そのものが空欄のものが29点、素材欄が空欄のものが114点ありました。
それから、620点の商品ページの本文に「痛」という字が一度も出てきません。0件です。重さで耳が痛くなるという話を、当店は一度もお客様にしてこなかったことになります。
これは店の側の抜けです。順番に書き足していきます。
ただ、その11点が思いのほか役に立ちました。素材と重さの対応が、ここから読み取れたからです。
重さが分かっている11点を、並べてみます
重い順です。長さは商品ページのサイズ欄をそのまま書いています。
・ラッキーカー 50mm 5g ピューター、ビーズ
・オフィーリア モチーフ20mm 片耳4g ピューター
・ブンチョウ・トライアングル 鳥20×24mm/花27×21mm 片耳3g 真鍮、カットガラス
・ねこのしっぽ(ゴールド) 5.0×1.5cm 3.3g 毛糸、ラメ糸、合金、ガラス
・ねこのしっぽ(シルバー) 5.0×1.5cm 3.3g 毛糸、ラメ糸、合金、ガラス
・ホイコーロウ 全長約4.2cm 片方約2.6g 真鍮
・チンジャオロース 全長4.4cm 片方約2.2g 真鍮
・グラフティ 縦27mm 片耳2g ピューター、カットガラス
・マーボドーフ 全長約2.8cm 片方約1.8g 真鍮
・おばけキノコ フック込約2.7cm 約1.8g シルバー925
・エビチリ 全長4.5cm 片方約1.6g 真鍮
上のほうにあるのは、ピューターか、合金とガラスが付いた組み合わせです。
下のほうは真鍮かシルバーで、全部2g台以下に収まっています。
長さの順に並べ替えても、この並びはほとんど揃いません。素材の順に並べると、きれいに揃います。
素材で、だいたいの見当がつきます
ピューターは、錫を主成分にした柔らかい金属です。厚みを持たせて立体的に作れるのが良いところで、そのぶん中が詰まっています。
在庫のピアスをピューターで絞ると93点。長さの中央値は22mmで、40mmを超えるものが16点ありました。
真鍮は182点。中央値17mmで、40mm超は7点です。板を打ち抜いて作るものが多いので、同じ大きさでも中が薄くなります。
樹脂とアクリルは70点。中央値14mmで、40mm超は4点だけでした。
シルバーは24点。中央値17mm、40mm超は2点です。
ピューターについては【ピューターってなに?】ピューター製のアクセサリーについてに詳しく書いています。素材そのものの話はそちらをご覧ください。
私の場合は、こう見ています。
立体的に厚みのあるピューターは、小さくても重い。
平たく打ち抜いた真鍮は、長くても軽い。
樹脂・アクリル・木・貝・毛糸は、さらに軽い。
素材欄が空欄の114点については、この見分け方が使えません。ここも書き足していく対象です。
写真からも、ある程度は読めます
重さが書いていない商品でも、写真で見当をつける手はあります。
見るのは、モチーフの厚みと、金属が「面」で埋まっているか「線」で抜けているかです。
面でみっちり埋まっているものは重いです。透かしが入っていたり、細い線でできているものは軽くなります。
それから、モチーフの下にビーズや石が足してあるかどうか。これは効きます。上の一覧で一番重い5gのピアスも、ピューターのモチーフの下にガラスビーズが房になって付いているものでした。
長さは、重さとは別に効いてきます
同じ重さでも、下に長く伸びるほど耳への効き方は変わります。振り子と同じで、支点から遠いところにある重さのほうが強く働きます。
在庫620点のうち、サイズの数字が読めた581点で見ると、長さの中央値は17mmでした。40mmを超えるものが53点、60mmを超えるものが14点あります。
一番長いものは全長10.5cmでした。
この数え直しをしていて、店の側の間違いも見つかりました。サイズ欄の単位がmmではなくcmになっている商品が5点あって、そのまま読むと34cmのピアスということになります。あと3点は、ピアス本体ではなく専用ボックスの寸法のほうが先に書いてありました。こちらも直します。
それから、揺れるつくりのピアスが131点。揺れると、動くたびに穴の縁に当たる向きが変わります。一点だけを押し続けないという意味では、揺れるほうが穴には優しいと考えています。
代わりに、揺れるものは服や髪に引っかかります。外れやすさのほうはピアスのキャッチが落ちる・なくしたときはに書きました。
長いのに軽い、というピアスがあります
今日いちばんご紹介しようと思うのが、これです。

thuthu appetizing accessories の「エビチリのピアス」です。
全長4.5cm。片方およそ1.6グラム。当店で重さが分かっているピアスの中で、一番長くて、一番軽いという一点です。
真鍮の板を抜いて、マットゴールドのメッキをかけてあります。写真で見ていただくと、エビも器も線でできていて、面で埋まっているところがほとんどありません。だから4.5cmあっても1.6gに収まります。
フックで耳に掛けるかたちなので、耳たぶを前後から挟みません。掛かっているだけ、という感じです。
モチーフはエビチリです。中華のお皿がそのまま耳から下がります。この子については見た目はエビチリ、正体は宝物。thuthu「エビチリのピアス」という記事も書いているので、由来のほうはそちらでどうぞ。
税込2,750円。在庫は残り2点です。
重いほうも、隠さずに置いておきます

パルナートポックの「ラッキーカー ピアス」です。
50mmで5グラム。当店で重さが分かっている中では、これが一番重い一点です。
上の星のところで耳に留めて、その下にピューターのイルカ、さらに下に水色のガラスビーズが房になって下がります。イルカが空中のボールをつつくショーを、そのまま耳もとに移したという商品です。
写真を見ていただくと、重さがどこに集まっているかが分かると思います。一番下のビーズです。支点から一番遠いところに、一番重いものが付いています。
かわいいです。私は好きです。
そのうえで、毎日つけっぱなしにする一点ではないと思っています。お出かけの日に着けて、帰ったら外す。そういう付き合い方をする子だという感じです。
税込4,070円。在庫は残り1点です。
そもそも下げない、というやり方

同じパルナートポックの「グラフティ ピアス」です。
縦27mmで、片耳2グラム。ピューターにカットガラスがはまっています。
この商品ページには、めずらしく構造のことが書いてありました。「裏はフラット。ポストで留めるかたちです」「ポストで留めるかたちなので、揺れません」という二文です。
耳たぶに沿って縦に27mm。下にぶら下がるのではなく、耳たぶの面に貼り付くように乗ります。
27mmというのは決して小さくありません。中央値の17mmより1cm長いです。それでも穴にかかる力が小さいのは、重さが穴のすぐ横にあって、下に伸びていないからだと考えています。
大きさを諦めたくないけれど、穴は気になる。そういうときの一つの答えがこの形です。
税込2,530円。在庫は残り1点です。
ほかにも、軽いと分かっている二点
PASSIONE の「おばけキノコ ピアス(フック)」は、フック込みで約2.7cm、重さ約1.8グラムです。シルバー925で、キノコの下からおばけが顔を出しています。税込8,800円、在庫は残り2点。サージカルステンレスとは?のほうでも書きましたが、シルバー925は素材としても肌に置きやすいほうです。
ルチカの「ねこのしっぽ ピアス(ゴールド)」は、5.0×1.5cmで3.3グラム。しっぽの部分が毛糸とラメ糸でできています。金属の量が少ないぶん、5cmという長さのわりに数字が抑えられました。税込2,530円、在庫は残り7点と、今日ご紹介する中では一番数があります。
▶ 「ねこのしっぽ ピアス(ゴールド)」の商品ページはこちら
すでに下がってきているときにできること
一度伸びた穴が自然に元へ戻ることは、あまりありません。
そのうえで、進みを止めるためにできることはあります。
重いものを外して、しばらく軽いものだけにする。寝るときは外す。同じ穴を毎日使わず、休ませる日を作る。このあたりは地味ですが効きます。
キャッチをきつく留めすぎないことも大事だと思っています。前後から強く挟むと、耳たぶが薄くなります。
穴の縁が薄くなって切れそうに見えるとき、糸のように細くなっているときは、自分でどうにかしようとしないでください。形成外科で縫い直して開け直すという方法があります。
しばらく穴を休ませたい方には、穴を使わないアクセサリーという手もあります。ピアスホールが塞がってきたときはで、イヤーカフやコンバーターのことを在庫の数と一緒に書きました。
穴を開けたばかりで安定していない時期のことはセカンドピアスの選び方に、金属が肌に合わないという話は金属アレルギーとアクセサリーの素材にまとめてあります。
重さを書き足していきます
620点のうち11点、という数字は、店として胸を張れるものではありません。
選ぶのに必要な情報が、載っていないということです。
重さを量って商品ページに書き足していきます。素材欄が空欄の114点と、サイズ欄が空欄の29点も一緒に埋めます。単位がcmになっていた5点と、箱の寸法が先に来ていた3点も直します。
全部で620点あるので時間はかかります。それでも、少しずつ進めます。
気になる一点があって重さを知りたいときは、お問い合わせいただければ量ってお答えします。そのほうが早いです。
おわりに
耳もとは、体の中でいちばん小さい面積で印象が変わる場所だと思っています。
その小さい場所に、何年もかけて負担が溜まります。
大ぶりのものを諦める必要はありません。長くても軽いものが、ちゃんとあります。見るのは大きさではなく、素材と、重さがどこに集まっているかという感じです。
顔まわりの見え方から選びたいときは顔の形・髪型に合うイヤリングの選び方を、どなたかへ贈るときはアクセサリーのギフトガイドを合わせてご覧いただけたらうれしいです。
今日も長くなりました。最後まで読んでくださってありがとうございます。