ネックレスの留め具が前に回ってくるときは|チェーンが回る理由と、回りにくいネックレスの選び方

朝晩だけ、急に涼しくなりました。

薄手のニットを出してきて、久しぶりにネックレスを合わせた日のことです。

お昼ごろ、ふと胸もとを見たら、留め具が鎖骨の真ん中に来ていました。

トップのほうは、いつのまにか肩の近くまで回っています。

直しても、しばらく歩くとまた同じところに戻ってきます。

これ、私の着け方が下手だからだと長いあいだ思っていました。

でも当店の在庫を全部開いて調べてみたら、そうではありませんでした。

今日は、ネックレスが回ってしまう理由と、回りにくいものの見分け方をご紹介しようと思います。

回るのは、うしろのほうが重いからです

ネックレスは、首にかかった輪です。

輪のどこかが重ければ、その重いところが、いちばん下に来ようとします。

本来いちばん下に来てほしいのは、トップです。

ところが、うしろ側にも重さがあります。

留め具と、その反対側の輪と、余ったアジャスターの鎖です。

この三つを足した重さが、トップの重さに近づくほど、輪はどちらを下にすればいいのか迷います。

迷っているあいだに、歩く振動でくるくると動きます。

それが、気づいたら留め具が前に来ている、という状態です。

着け方の問題ではなく、重さの配分の話でした。

アジャスターは、便利さと引きかえの重りです

アジャスターは、留め具の反対側に付いている、5cmほどの短い鎖のことです。

どこに留めるかで長さを変えられる、あの部分です。

首まわりに合わせられるので、とても助かります。

ただ、いちばん長い状態で使うと、余りが出ません。

短く詰めて使うと、詰めたぶんの鎖がうしろにぶら下がります。

つまり、短くすればするほど、うしろが重くなります。

首まわりにぴったり合わせた日ほど回りやすい、というのは、そういうことでした。

当店のネックレス246点を、全部開いて数えました

書きながら、当店の商品ページはどうなっているのだろうと気になりました。

在庫のあるネックレスとペンダントを1点ずつ開いて、説明文を読んでいきました。

全部で246点ありました。

アジャスターが付いていると書いてあったのが、139点。

何も書いていないものが、107点でした。

ブランドで見ると、和道工房が20点中18点、デコヴィーニャが12点中11点と、ほとんどに付いています。

逆に林檎屋の16点はゼロでした。あちらはペンダントトップだけの販売で、鎖が別売りだからです。

長さまで書いてあるのは、74点でした

アジャスターがあると書いてある139点のうち、その長さまで書いてあったのは74点です。

ほとんどが5cmでした。10cmと書いてあるものが1点だけありました。

残りは「チェーン45cm+アジャスター」で終わっていて、何センチ足せるのか分かりません。

仕入れ先の表記をそのまま載せているところが、まだたくさん残っています。

これは当店の書き漏れなので、順に測って足していきます。

重さが書いてあったのは、4点だけでした

回るかどうかは重さで決まるのに、その重さを書いているページは4点しかありませんでした。

246分の4です。

内訳は、当店で作った猫のネックレスが約5.3g。

あとの3点は、チュチュの中華料理シリーズで、どれも約3gでした。

お客さまが選ぶときにいちばん効く数字が、いちばん載っていないという結果です。

留め具の名前は、246点のどこにも出てきませんでした

ついでに、留め具の種類も数えてみました。

「引き輪」で引くと、0件。

「カニカン」も0件。「トグル」も0件でした。

「留め具」という言葉そのものが出てくるページも、4点しかありません。

うしろ側の重さを知りたくても、商品ページからは読み取れない状態でした。

留め具そのものの種類については、ネックレスの留め具の種類|引き輪・カニカンの違いに書いています。

今日、家でできることが三つあります

一つめは、アジャスターを詰めすぎないことです。

いちばん端で留めれば、余りの鎖が垂れません。そのぶん、うしろが軽くなります。

短くしたいときは、アジャスターで詰めるのではなく、もともと短いチェーンに替えるほうが回りません。

二つめは、留め具をうなじの真ん中に置き直すことです。

襟の内側に入れてしまうと、布に押されてじわじわ横へずれていきます。

襟のある服の日は、襟の外に出しておくほうが落ち着きます。

三つめは、二本重ねてしまうことです。

二本が軽く絡むと、お互いが動きを止め合います。回るのは止まりますが、絡みは増えます。

長さの差の作り方は、ネックレスの重ね付けのコツにまとめました。

回りにくいものは、この三つで見分けます

買うときに見ているのは、次の三つです。

一つめ、トップがしっかり大きいこと。目安は縦30mmを超えるくらいです。

二つめ、アジャスターの記載がないか、あっても使わずに済む長さであること。

三つめ、チェーンが細すぎないこと。細い鎖はよじれて、そのねじれが回転を呼びます。

この三つで在庫を絞っていったら、1点、目にとまったものがありました。

今日ご紹介したいのは、ロマネスク ネックレスです

パルナートポックのロマネスク ネックレス。唐草模様に赤と青の花が咲き、リスとウサギが隠れている

パルナートポックの「ロマネスク ネックレス」です。

中世の装飾写本の飾りが元になっていて、波打つ蔦の左右に、赤い薔薇と青い小花が咲いています。

緑とベージュの葉が重なっていて、色数のわりに落ち着いて見えます。

税込5,720円、在庫は2点です。

葉のかげに、リスとウサギがいます

ロマネスク ネックレスの下部。葉の根もとにウサギが座っている

下のほうに、ウサギが一羽座っています。

上の左側には、蔦にしがみついたリスがいます。

写真だと小さいのですが、手に取ると耳のかたちまで分かります。

商品ページには「秋を連想させる森の動物たち」と書いてありました。まさに今の時季です。

縦38mmあるので、トップのほうが確実に重いです

サイズは縦38mm、横26mmです。

当店のネックレスのトップは20mm前後が多いので、このくらいあるとかなり大きいほうに入ります。

素材はピューターで、ずっしりとした手ごたえがあります。

ピューターは錫を主にした、やわらかくて比重の重い金属です。同じ大きさなら真鍮より重くなります。

この重さが、うしろ側に勝ちます。歩いても、トップのほうが下に残ります。

ピューターという素材については、ピューターってなに?に詳しく書いています。

チェーンが平たい棒でできています

ロマネスク ネックレスのチェーン。平たい棒と小花の飾りがつながっている

このネックレスで気に入っているのが、チェーンです。

細かい輪をつないだ普通の鎖ではなく、平たい棒と、小さな花の飾りが交互につながっています。

商品ページには「トップのデザインを引き立てる捻りを加えたチェーン」と書かれていました。

見た目の話として書かれているのですが、動きの面でも効いています。

平たい棒はねじれません。細かい輪の鎖のように、勝手によじれていくことがない形です。

よじれないので、そこから回り出すこともありません。

▶ 「ロマネスク ネックレス」の商品ページはこちら

このページには、チェーンの長さが書いていませんでした

おすすめしておいて申し訳ないのですが、ひとつ足りないところがあります。

ロマネスクの商品ページには、チェーンが何センチなのかが書いてありません。

今回数えたら、長さの記載がないネックレスは246点中66点ありました。

四分の一ほどです。

これも当店の側の問題なので、実物を測って書き足していきます。

お急ぎでしたら、お問い合わせいただければその場で測ってお返事します。

長さが何センチだとどこに来るのかは、ネックレスの長さの選び方に写真つきで並べました。

アジャスターが付いているほうがいい日もあります

ここまでアジャスターを悪者のように書いてしまいましたが、あったほうがいい場面もあります。

襟の高い服と、開いた服で、ちょうどいい長さは変わります。

そういう日に、5cmの余裕はとても助かります。

たとえば、パルナートポックの「ホオズキ ネックレス」。

チェーン45cmに、アジャスターが5cm付いています。45cmから50cmのあいだで動かせます。

オレンジの実の中が透けていて、そこはカットガラスでできています。歩くたびに光が入ります。

お盆に飾る提灯の役をしてきた植物で、秋の入り口によく合います。

税込3,850円、在庫3点です。

▶ 「ホオズキ ネックレス」の商品ページはこちら

留め具がなければ、前に来ようがありません

いちばん確実なのは、留め具そのものが付いていないものを選ぶことです。

パルナートポックの「クローバーピクニック」は、頭からかぶって着ける形です。

鎖がタンポポの輪をくぐって、そこから下へ垂れています。輪を上げ下げすると長さが変わります。

いちばん下まで下ろすと、輪がウサギの頭にのって、花かんむりをかぶった姿になります。

留め具がないので、留め具が前に回ってくることも起きません。

鎖は約65cmと長めです。税込3,850円、在庫は残り1点です。

▶ 「クローバーピクニック(シルバー)」の商品ページはこちら

磁石で留まるものは、うしろがいちばん重くなります

反対に、うしろが重くなりやすいのが、磁石で留めるタイプです。

当店で作った「気まぐれな距離」がそうです。

シルバーの猫と黒い猫が磁石でぴたりと重なって、胸もとでひとつのハートになります。

この2匹が磁石そのものなので、留め具は前に来ます。というより、前に来る位置で着けます。

留め具を飾りにしてしまえば、回っても困りません。そういう解き方もあります。

シルバー925で、チェーン40cmにアジャスターが5cm。全体で約5.3gです。

この重さの記載が、当店246点のうち4点しかない数字のひとつでした。

税込13,200円、在庫は残り1点です。

▶ 「気まぐれな距離 ネックレス」の商品ページはこちら

チェーンだけ替える、という手もあります

今お持ちのネックレスがどうしても回るときは、鎖だけ短いものに替える手があります。

ルチカの真鍮チェーンは38cmで、アジャスターが付いていません。税込1,650円、在庫10点です。

余りが出ないので、うしろに垂れる鎖がありません。

真鍮という素材の性質は、真鍮アクセサリーのお手入れ方法にまとめています。

▶ 「ネックレスチェーン 38cm 真鍮製」の商品ページはこちら

同じ40cmで、アジャスターのないものもあります。

クヌギノコの「モルモット ネックレス(おすわり)」は、真鍮の40cmチェーンに17mmのモルモットが下がっています。

丸い背中からお尻へのラインが、なんとも言えません。税込4,070円、在庫3点です。

▶ 「モルモット ネックレス(おすわり)」の商品ページはこちら

長いものは、回っても分かりません

もうひとつ、身もふたもない解き方があります。

とても長いネックレスにしてしまうと、回っても気になりません。

留め具がおへその近くまで下りてくるので、視界に入らないからです。

ルチカの「Rectangle ネックレス」は70cmあります。

長方形の台に、つぶつぶとパールが並んだトップです。税込2,090円、在庫2点です。

長いぶん、しまうときに絡みやすくなります。ほどき方は絡まったネックレスのほどき方に書きました。

▶ 「Rectangle ネックレス」の商品ページはこちら

当店の長さは、32cmから80cmまでありました

せっかく数えたので、長さの分布も書いておきます。

長さが読み取れたのは180点。いちばん短いのが32cm、いちばん長いのが80cmでした。

真ん中は45cmです。

38cmから45cmのあいだに100点が集まっていて、半分以上がこの帯に入ります。

回りやすさで言うと、この帯がいちばん微妙なところです。

短すぎず長すぎず、トップとうしろの重さが釣り合ってしまいやすい長さだからです。

この帯のものを選ぶときほど、トップの大きさを見ておくといいと思います。

おわりに

ネックレスが回るのは、着け方でも、体型のせいでもありませんでした。

輪のうしろ側にある重さが、トップに勝ってしまうかどうか。それだけの話です。

そう分かってしまえば、対処はいくつもあります。

アジャスターを詰めない。トップの大きいものを選ぶ。留め具のないものにする。いっそ長くする。

今回いちばん申し訳なく思ったのは、当店の商品ページのほうでした。

選ぶのに必要な重さが4点にしか書いていなくて、チェーンの長さも66点で抜けていました。

順に測って足していきます。

秋の服は襟もとがはっきりしているので、ネックレスがよく見える季節です。

今年は前を向いたまま一日過ごせますように。

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