ネックレスチェーンの種類と名前|あずき・喜平・スネークの違いと、在庫246点を数えて分かったこと
九月の終わりになって、店の空気がすこし乾いてきました。
夏のあいだは肌に直接触れるものばかり手に取っていたのに、この時期になると急に、首もとに一本ほしくなります。
それで棚のネックレスを出してきて、飾りではなく鎖のほうをじっと見ていました。
よく見ると、一本ずつ形が違います。
平たい輪がぽつぽつ並んでいるもの。ねじれて縄のように見えるもの。粒がつながっているもの。
その形にはちゃんと名前が付いています。「あずき」とか「喜平」とか、聞いたことがある方も多いと思います。
今日はその名前の話をご紹介しようと思います。そして、当店の在庫でその名前がどれくらい書かれているのかを数えてみたので、その結果も一緒に書きます。
チェーンの名前は、輪の形の呼び名です
ネックレスの「種類」という言葉には、二通りの意味が混ざっています。
ひとつは長さの呼び名で、チョーカーとかプリンセスとかオペラとか呼ばれるもの。これは何センチかという話なので、ネックレスの長さの選び方のほうに書いてあります。
もうひとつが、今日書く「鎖そのものの形」です。
輪をどうつないでいるか、輪をひねっているかいないか、輪が平たいか丸いか。そこで呼び名が変わります。
同じ40cmでも、形が違えば見え方も重さも、絡まりやすさも変わります。
あずきチェーン|輪がひとつずつ、平たく並ぶ
いちばん数が多くて、いちばん見慣れている形だと思います。
小判形の輪を、一つおきに向きを変えてつないであります。上から見ると輪が平たく寝ているので、細くても存在感が出すぎません。
名前の由来は、輪のかたちが小豆に似ているからと言われています。英語ではケーブルチェーンと呼ばれます。
表面を削って光らせたものは「カットあずき」といって、同じ形でもきらきらします。
喜平チェーン|輪をひねって、面をそろえたもの
あずきと同じつなぎ方をしてから、輪を一つずつ半回転ひねって、面を平らに押しつぶしてあります。
そのぶん肌にぴたりと寝るので、着けたときにごろつきません。
面が広いので光をよく返します。太くすると主張が強くなる形でもあります。
「きへい」と読みます。二面、六面、八面と、ひねる回数で呼び分けることもあります。
ボールチェーン|丸い粒がつながっている
輪ではなく、小さな球を細い芯でつないだ形です。
鍵につけるあの金具と同じつくりなので、かしこまった感じにはなりません。そのぶん、遊びのある飾りとよく合います。
どの向きにも曲がるので、絡まりにくいのも特徴だと思います。
スネークチェーン|つなぎ目が見えない、一本の管のような
細かい板を隙間なく並べてあるので、遠目には金属の管のように見えます。
輪の隙間がないぶん、髪やニットに引っかかりにくい形です。
ただ、一度折り目がつくとそこが戻らないので、丸めてしまうより吊るしておくほうが向いています。
ベネチアン、フィガロ、ロープ
ベネチアンは、四角い箱を並べたような形です。角があるので光が硬く返ります。
フィガロは、長い輪と短い輪を決まった順番でくり返した形。同じ太さでもリズムが出ます。
ロープは、輪を二重にずらしてつないで、縄をよったように見せた形です。細くても光がよく回ります。
このロープの仲間に「プリンスオブウェールズ」という呼び名があって、今日の話はここにつながります。
当店のネックレス246点を、全部開いて数えました
名前を並べただけでは、買うときの役に立ちません。それで、在庫のネックレスとペンダントを一点ずつ開いて、商品名・サイズ欄・素材欄・説明文のすべてを読みました。
対象は250点で、うち3点はページが開かず、1点は売り切れていました。残る246点が今日の数字です。
結果を先に書きます。
「あずき」「喜平」「スネーク」は、246点のどこにも出てきませんでした
あずき、アズキ、小豆。喜平、キヘイ。スネーク。ベネチアン。フィガロ。
どれも0点でした。商品名だけでなく、説明文まで含めて0点です。
「あずきチェーン」で探してくださった方は、当店のどの商品にも当たりません。
置いていないわけではないと思います。あずきの形のチェーンは棚にいくつもあります。書いていないだけ、という状態です。
ピアスの種類と名前を数えたときも、いちばん数が多いはずのスタッドピアスが商品名に0点でした。指輪のときも似た結果でした。品物の形に名前があるのに、店がその名前を書いていない。同じ穴がチェーンにも空いていました。
唯一の型の名前が、「プリンスオブウェールズ」でした
246点で、鎖の形の呼び名が書いてあったのは2点だけです。
しかもその名前が「プリンスオブウェールズ」でした。
日本の検索窓にこの言葉を打つ方は、かなり少ないと思います。書いてはあるけれど、探している方には届かない名前でした。
その2点が、同じチェーンの長さ違いです。

今日ご紹介したいのは、プリンスオブウェールズ チェーンです
上の写真は、その鎖を近くで写したところ。
輪が二列に重なって、ゆるくねじれながら続いています。一本の縄のように見えますが、細い輪の集まりです。
商品ページには「輪が細かく重なりエレガントでいてシンプルにチャームを引き立ててくれます」と書いてあります。飾りを下げたときに、鎖のほうが前に出てこない形という意味だと思います。
素材はスターリングシルバー925に、金色のメッキをかけたもの。銀の地金に金をのせてあるので、同じ見た目の真鍮のものより価格は上がります。
60cmが税込7,480円、40cmが税込6,160円。この記事を書いた時点で、どちらも残り2点でした。
60cmと40cmで、行き先が変わります
40cmは首の付け根のすこし下、鎖骨のあたりに落ちます。
60cmはみぞおちの上あたりまで下がるので、シャツの上からでも見えます。二重にして短く使うこともできる長さです。
どこに来るかの目安は長さの記事のほうに写真つきで並べてあるので、迷ったらそちらを見てください。
留め具は、こんな形をしています

丸い枠の一部が、ばねで引っこむ形です。爪を引っかけて横にずらすと口が開きます。
この形は「引き輪」と呼ばれています。ただ、当店の246点の商品ページには、引き輪もカニカンも一度も出てきません。留め具の名前も、形の名前と同じで書かれていない側でした。
留め具が前に回ってきてしまうときの話は、こちらの記事に書いてあります。
比べるために、もう一本並べました

こちらは装飾のないチェーンだけの商品で、38cmの真鍮製。税込1,650円です。
輪が平たく、一つずつ向きを変えて並んでいます。上で書いた「あずき」の形です。
同じ金色でも、さきほどの写真とは見え方がずいぶん違うと思います。片方は縄、片方は粒の連なり。
この商品ページにも「あずき」とは書いてありません。写真を拡大すれば分かるので、当店の商品を見るときは写真を大きくして鎖のところを見ていただくのが、いまのところ確実です。
チェーンが付いていないペンダントトップを買ったときの受け皿にもなる一本で、シルバーチャームの使い方でも登場しています。
チェーンの太さを書いているページは、0点でした
形の名前がないなら、せめて太さが分かればいい。そう思って「太さ」と「線径」で引いてみました。
246点で0件でした。
一度だけ引っかかった1点も、確かめてみたら飾りのほうの「直径 約1.3cm」で、鎖の太さではありませんでした。
長さの数字が読めたのは170点。残り76点は、チェーンが何センチなのかも書いていません。「チェーン」という語そのものが出てこないページも37点ありました。
チェーンの素材を別に書いてあるのは、41点でした
飾りと鎖は、別の金属でできていることがよくあります。
飾りがピューターで鎖が真鍮、ということもあれば、両方とも銀のこともあります。金属アレルギーが気になる方には、ここが大事なところだと思います。
「チェーン:」と項目を立てて別に書いてあったのは41点。全体の六分の一ほどでした。素材欄そのものが空のページも66点あります。
金属の種類ごとの性質は真鍮のこととシルバーのことに書いてあります。
丹銅という、聞きなれない名前
その41点を読んでいて、12点に同じ言葉が出てきました。「丹銅にメッキ」と書いてあります。
丹銅は、銅に亜鉛を少しだけ混ぜた金属で、真鍮の仲間です。亜鉛が少ないぶん、地の色が赤みを帯びます。
12点はすべて thuthu(チュチュ)の品でした。作家さんが素材を丁寧に書き分けている、ということだと思います。
そのうちの一点が、水玉町の猫がモチーフの「M ネックレス」。飾りは真鍮でアンティーク仕上げ、鎖は丹銅にメッキ、40cm。税込2,750円で残り1点です。
▶ 「M ネックレス【thuthu appetizing accessories / nupi】」の商品ページはこちら
ボールチェーンと書いてあったのは、1点だけでした
246点で、鎖の形に触れている説明文がもう一つありました。
「晴れ晴れとした空をイメージしたチェーンは水色のボールチェーンです」
キャンバスに向かう犬のネックレスで、パルナートポックの廃盤品です。新しく入ってこないので、当店の在庫限りになります。税込5,500円、残り1点でした。
鎖が水色というのは珍しくて、飾りの色と揃えてあります。形の名前が出てきたのが、この一行だけというのも記録として書いておきます。
▶ 「【廃盤・入手困難】クロード・モネ ネックレス【Palnart Poc パルナートポック】」の商品ページはこちら
留め具のないネックレスもあります
形の話をしていると、そもそも鎖の端をつないでいないものもあります。
クローバーピクニックは、花かんむりの輪に鎖を通してあって、通した位置で長さが変わります。留め具はなくて、頭からかぶって着けます。
留め具がなければ、うしろに回ってくることもありません。税込3,850円、残り1点です。
▶ 「クローバーピクニック(SV) ネックレス【Palnart Poc パルナートポック】」の商品ページはこちら
鎖まで銀で作ってあるもの
飾りが銀でも、鎖は別の金属という品は珍しくありません。
ホアシユウスケさんの「バクとすきま」は、説明に「チェーン:シルバー925製」と書いてあります。林檎に乗ったバクの小さなペンダントで、鎖まで同じ銀です。
税込17,600円、残り1点。銀は使っているうちに黒ずんできますが、拭けば戻ります。落とし方はシルバーの記事のほうに書きました。
▶ 「バクとすきま 林檎に乗ったバクのプチペンダント【ホアシ ユウスケ】」の商品ページはこちら
名前が分からなくても、写真の拡大で見分けられます
当店の商品ページに形の名前が書いていない以上、いま確実なのは写真を大きくして見ることだと思います。
見るところは三つです。
輪が平たく寝ているか、ねじれて立っているか。輪と輪のあいだに隙間があるか、詰まっているか。輪の大きさが全部同じか、長短がくり返されているか。
平たくて隙間があって同じ大きさなら、あずきの仲間です。ねじれて縄に見えるならロープの仲間。隙間がなくて管に見えるならスネークの仲間になります。
店として、書き足すことにします
数えてみて、三つやることが決まりました。
ひとつ、チェーンだけで買える3点に、鎖の形の呼び名を書きます。プリンスオブウェールズには「ロープチェーンの一種」と添えます。
ふたつ、鎖の太さを書き足します。いまは246点すべてに無いので、測るところからになります。
みっつ、チェーンの長さが書いていない76点を埋めます。
時間はかかりますが、順に直していきます。
おわりに
チェーンの形に名前があると知っていると、次に選ぶときの手がかりが一つ増えます。
ぴたりと寝かせたいなら喜平、引っかけたくないならスネーク、細くても光ってほしいならロープ。そんなふうに絞れます。
当店の在庫では、その名前がほとんど書かれていませんでした。数えるまで気がついていなかったので、記録としてそのまま書いておきます。
秋のはじめの一本を選ぶとき、飾りだけでなく鎖のほうも見てみてください。
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