雨の匂いがする日に、ガラスの中のカエルと出会った。kengtaro「梅雨 六」
梅雨入りしてから、庭の紫陽花がどんどん色を濃くしています。
玄関を出るたびに湿った土の匂いがして、傘を差しながらつい足を止めてしまう。そんな季節です。
うっとうしいと感じることも多い時期だけれど、今日はこの季節にぴったりの作品をご紹介しようと思います。
ガラスの中で息をするカエル
kengtaroさんのガラス作品「梅雨 六」です。
青白いカエルが、ガラス玉の上にちょこんと座っています。玉の中を覗き込むと、いく千もの花びらが渦を巻いているみたいに見えて、思わず時間を忘れて見入ってしまいました。
私の場合は、こういう一点ものを見るとつい光にかざしてしまう癖があります。玉の中には108個の小さな気泡が意図的に閉じ込められていて、光の角度によって輝き方がまったく変わるんですよね。見るたびに違う表情を見せてくれる、贅沢な存在です。

ボロシリケイトガラスという素材
使われているのはボロシリケイトガラス、いわゆるパイレックスと同じ耐熱耐久ガラスです。理化学用の試験管にも使われる素材で、従来の工芸ガラスより硬質。作家のkengtaroさんは、約2500度の酸素バーナーの炎の中でこの一つ一つを作り上げているそうです。
サイズは縦55mm、横47mm。手のひらに乗るくらいの小さな存在感ですが、その中に閉じ込められた技術と時間を思うと、なんだか背筋が伸びる気がします。
kengtaroさんはカエルやヤモリといった生き物をモチーフに、静岡でずっと制作を続けている作家さんです。個展やグループ展を重ねてきた実績のある方で、ガラスならではの透明感と、生き物特有のちょっとユーモラスな表情を組み合わせるのが本当に上手だなと感じます。

飾る場所を選ばない一点もの
アクセサリーというより、インテリアとして楽しむタイプの作品です。窓辺に置いて光を通してみたり、デスクの片隅にそっと座らせてみたり。一点ものなので、同じ表情のものは二つとありません。
修理にも対応してもらえるとのことなので、長く付き合っていける相棒になってくれそうです。梅雨のうっとうしさを、ちょっとだけ愛おしく思わせてくれる。そんな存在です。
在庫はひとつだけなので、気になった方はお早めにチェックしてみてください。
