バレッタの選び方|落ちてくる・ずれるときの留め方と、髪の量に合う金具の長さ
送り火の煙を見送って、お盆が終わりました。
暑さのほうはまだしばらく続きそうで、髪を下ろす気になれない日が続いています。
朝にきゅっとまとめたのに、夕方には落ちてきている。
その話をお客様からよく聞きます。
私の場合は、髪の量のせいだと思い込んでいた時期が長かったです。
でも当店のヘアアクセサリーの寸法を並べて見比べてみたら、原因は別のところにありました。
見るところを一つ変えるだけで、だいぶ変わると思ったんですよね。
そのお話をご紹介しようと思います。
落ちてくるのは、金具と毛束が合っていないから
バレッタが落ちてくるとき、思い当たる理由は三つくらいあります。
挟んだ毛束が細すぎて、金具が空回りしている。
反対に毛束が太すぎて、金具が最後まで閉まっていない。
根元にぴったり付けすぎて、髪の重みで押し出されている。
どれも「髪の量」の問題に見えます。
ただ実際には、髪の量そのものより、金具の長さと毛束の太さが釣り合っているかで決まります。
そして金具の長さは、見た目の大きさとは一致しません。
見るのはモチーフの幅ではなく、バレッタ金具の長さ
当店で扱っているルチカのkaima バレッタの商品ページに、こう書いてあります。
「サイズ 2.0×6.7cm バレッタ金具:5.7cm」
全体は6.7cm、けれど金具は5.7cm。
1cmの差があります。
この1cmは、飾りの端が金具より外にはみ出している分です。
つまりその部分は髪を挟んでいません。
大ぶりなバレッタを選んだのに思ったほど髪が収まらない、ということが起きるのは、この差のせいです。
買うときに見る数字は、飾りを含めた全体の幅ではなく、裏についている金具の長さのほうでした。
商品ページに金具の長さまで書いてある品は、それほど多くありません。
書かれていない場合は、裏側の写真で飾りと金具を見比べると見当が付きます。
髪の量から、金具の長さを決める
当店にあるバレッタの実寸を並べてみます。
・モダンローズ バレッタ 縦39mm×横70mm(6,380円)
・シークレットガーデン バレッタ 縦30mm×横71mm(6,160円)
・マリン バレッタ 縦20mm×横70mm(6,050円)
・夢の中 バレッタ 縦34mm×横70mm(5,940円)
・kaima バレッタ 2.0×6.7cm 金具5.7cm(1,760円)
パルナートポックの4点は、横幅が70mm前後できれいに揃っています。
縦の寸法だけが20mmから39mmまで散らばっていて、これは飾りの高さの違いです。
目安としては、こんな感じです。
金具5cm台は、毛量が控えめな方や、ハーフアップで上半分だけをまとめるとき。
金具7cm前後は、しっかり量のある方が全体をひとつにまとめるとき。
迷ったときは、いま使っているゴムで髪をまとめて、その毛束を指でつまんでみてください。
親指と人差し指で作った輪の幅が、だいたい必要な金具の長さになります。
裏側の金具と、横から見たカーブ
モダンローズの裏側です。

平らな板に、細長い穴が空いています。
板の片側が蝶番になっていて、反対側の爪をこの穴に差し込むと、ばねの力でぱちんと留まります。
留まりが甘いと感じるときは、この爪が穴の奥まで入りきっていないことが多いです。
閉じたあとに軽く押して、板が浮いていないか確かめると確実です。
もう一つ、横から見た姿も見ておいてください。

まっすぐではなく、ゆるく弧を描いています。
このカーブは頭の丸みに沿うための形です。
カーブの向きを上下逆に当ててしまうと、両端が頭から浮きます。
浮いた分だけ髪が抜けやすくなるので、飾りが上を向く向きで当てるようにしています。
留めるときの三つの手順
順番を決めておくと、失敗が減ります。
一つめ。挟む毛束を先に決める。
金具を開いたまま髪に当てて、どこまで挟むかを決めてしまいます。あとから毛束を足すと、量が読めなくなります。
二つめ。根元から少し離す。
頭皮にぴったり付けると、髪が伸びようとする力で押し出されます。指一本分ほど浮かせた位置が収まりやすいです。
三つめ。カーブに沿わせてから閉じる。
板を頭の丸みに合わせて、最後にぱちんと留めます。先に閉じてから位置を直すと、髪が引っぱられて痛くなります。
当店のバレッタ「モダンローズ」
今回いろいろな寸法を確かめるのに使ったのが、パルナートポックのモダンローズ バレッタです。
植物画として描かれたバラをテーマにしたバレッタで、大きく開いた花と、葉と、まだかたいつぼみが並んでいます。
生花の写しではなく、図鑑に載っている植物画のほうを下敷きにしているそうです。
葉には、エッチングで葉脈が彫り込まれています。
それと、葉の上に小さなカットガラスが留めてあって、光が当たると露のように光ります。

手に乗せると、この大きさです。
縦39mm×横70mmという数字だけだと分かりにくいのですが、手のひらの半分くらい、と思っていただくと近いです。
素材はピューターとカットガラス。
職人がひとつずつ手で色を挿しているので、同じ品でも塗りの表情が少しずつ違います。
赤いバラの花言葉は「情熱」「愛情」「美」だそうです。
お花が好きな方への贈りものにも向くと思います。
ヘアゴムは、モチーフの向きで印象が変わる
バレッタほど留め方に悩まないのがヘアゴムですが、こちらは向きで見え方が変わります。
パルナートポックの姉妹ブランド4Fのヘソ天 ヘアゴムには、作り手からの指定が書かれていました。
「髪を結ぶ際は、猫ちゃんの頭が下になるように着用し、エビ天を猫の手元に寄せる」
仰向けでごろごろしている猫が、エビ天のおもちゃに手を伸ばしている場面です。
頭を下にして着けてはじめて、猫が寝転がって見えます。
向きの指定がない品でも、モチーフの縦横を見ておくと選びやすいです。
・サターン ヘアゴム 縦18mm×横40mm(2,090円)横長で、まとめた髪に沿います
・アポロ ヘアゴム モチーフ縦35mm(2,970円)まるい満月の形
・睡蓮と蛙ヘアゴム モチーフ約32mm(3,630円)
・ねこさん ヘアゴム 約4.5×3.2cm(1,650円)
睡蓮と蛙のページには「まとめ髪に使用すれば一気に涼やかな印象に」「浴衣に合わせるのもおすすめ」と書いてあります。
蓮の葉の上で一休みしているアマガエルが、跳ぶ先を見ている場面です。
浴衣に合わせる小物の話は、帯留めの付け方のほうにも書きました。
細い毛束には、ヘアピンとダボピン
前髪を横に流したいときや、後れ毛だけを留めたいとき。
バレッタでは大きすぎるので、ピンのほうが収まります。
ルチカのgracia ダボピンは、全体が4.2×3.0cmで、ダボピン金具が4.0cm。
枝の先に白い小花が並んでいて、小粒の淡水パールが揺れます。
ダボピンは、髪をゆるくまとめてから横に挿す使い方が向いています。
この品は、ざっくり編みのカーディガンやストールにブローチとして留めることもできます。
・シルヴィア セットヘアピン(レッド) ダボピン2.1×3.3cm+パールヘアピン4.6cm(1,980円)
・レトロリーフ ヘアピン 全体55mm(1,650円)
シルヴィアは、形の違う二本が組みになっています。
ダボピンで毛束を留めて、細いパールピンを飾りとして添える、という使い分けができます。
樹脂にドライフラワーを閉じ込めた作りで、花はひとつずつ違います。
ピューターと木の、しまい方
当店のヘアアクセサリーは、ピューターの品が多いです。
ピューターは柔らかい金属で、強い力を掛けると曲がります。
バレッタの金具を無理に広げたり、飾りの部分を持って開け閉めしたりすると、飾りが傾くことがあります。
開け閉めは、裏の金具を持って行うようにしています。
外したあとは、乾いた布で軽く拭いておくと長持ちします。
整髪料が付いたままだと、塗りが曇ってくることがあります。
ねこさん ヘアゴムのように木でできた品は、水気を嫌います。
雨の日に濡れたら、その日のうちに拭いておいてください。
素材ごとの詳しい話はピューターについて、しまい方はアクセサリーの保管方法に書いています。
金属が合うかどうか気になる方は金属アレルギーとアクセサリーの素材もどうぞ。
おわりに
バレッタが落ちてくるとき、髪のせいにしてしまいがちです。
でも金具の長さを見比べてみると、道具のほうが合っていなかった、ということがよくあります。
全体の幅ではなく、裏の金具の長さ。
そこだけ覚えておいていただけたらと思います。
当店のヘアアクセサリーは、バレッタもヘアゴムも、ひとつずつ手で色を挿した品が多いです。
贈りものをお探しの方はいきものモチーフのギフトや誕生日プレゼントに贈りたいアクセサリーもご覧ください。
暑さが落ち着くまで、もう少しです。
髪をまとめる毎日が、少し楽しくなりますように。