ネックレスの留め具の種類|引き輪・カニカンの違いと、後ろで留めにくいときのコツ
お盆が明けて、夕方の風が少し変わってきました。
昼間はまだ暑いのに、日が落ちるころだけ、首すじにひやりとしたものが触れます。
首もとが涼しくなると、しまっていたネックレスをまた出したくなります。
ただ、久しぶりに着けようとして、後ろの留め具で手間取ることはありませんか。
小さな輪をつまんで、爪の先でずらして、反対側の輪に引っかける。
見えない場所を指先だけで探る、あの十数秒です。
私も何度か途中であきらめて、その日は着けずに出かけたことがあります。
今日は、ネックレスの留め具のことを書こうと思います。
形の名前と、後ろで留められないときのやり方と、当店で扱っているチェーンに実際どんな金具が付いているか。順番に見ていきます。
留めにくいのは、指先が不器用だからではありません
留め具がうまく留まらないとき、自分の指のせいにしてしまいがちです。
私の場合は、金具の大きさが指に合っていないだけ、ということがほとんどでした。
ネックレスの留め具は、チェーンが細いほど小さく作られます。
全体の見た目を邪魔しないためで、細い鎖に大きな金具が付いていると、そこだけ重たく見えてしまうからです。
その結果、輪の直径が5mmを切るようなものも出てきます。
つまみに乗る爪の面積が、ほんの1mmほどしか残りません。
それを首の後ろで、鏡も見ずに操作しているわけです。
留めにくくて当たり前だと思ったんですよね。
なので、この話は「やり方」と「選び方」の両方から減らしていけます。
留め具の名前は、三つ覚えておけば足ります
通販で買うときも、修理を頼むときも、名前が分かっていると話が早いです。
引き輪(ひきわ)
丸い輪のふちから、小さなつまみが飛び出しています。
つまみを横にずらすと輪の一部がへこんで、隙間ができます。
指を離すと、中のばねが元に戻して閉じます。
細いチェーンでいちばんよく使われている形です。
カニカン
洋梨のような形で、横についたレバーを親指で押すと口が開きます。
引き輪より口が大きく開くので、指がかりを見つけやすい形です。
太めのチェーンや、バッグのストラップによく付いています。
マグネット
磁石どうしを近づけるだけで留まります。
片手でもできるので、指先の力が入りにくい方には向いています。
そのかわり、横に強く引かれると外れます。重いトップとの相性はあまりよくありません。
名前を知っていると、商品写真を見た時点で「これは留めやすそう」と見当がつくようになります。
反対側についている、平たい輪のこと
留め具と対になって、チェーンのもう一方の端に付いている部品があります。
涙のような、しずく形をした平たい輪です。
板ダルマ、と呼ばれています。
ここに引き輪を引っかけて、輪と輪をつなぐ形になります。
この板ダルマには、素材の刻印が打たれていることがよくあります。
手元のネックレスがシルバーかどうか確かめたいときは、トップではなく、ここを明るいところで見てみてください。

写真の左側が引き輪、右側が板ダルマです。
板ダルマの平らな面に、うっすらと文字が入っているのが見えます。
当店のチェーンは、どれも引き輪でした
ここでひとつ、お伝えしておきたいことがあります。
留め具の形は、商品ページに書かれていないことがほとんどです。
当店の商品ページも、素材と長さは載せていますが、留め具の名前までは書いていませんでした。
なので、扱っているチェーンの拡大写真を一枚ずつ見て、確かめてみました。
結果は、全部が引き輪です。
ルチカの真鍮チェーンも、プリンスオブウェールズ チェーンも、同じ形の引き輪と板ダルマの組み合わせでした。
こういうことは、拡大写真さえあれば買う前に分かります。
チェーンを通販で選ぶときは、金具が写っている写真があるかどうかを見てみてください。
今日のチェーン|ネックレスチェーン 38cm(ルチカ)

飾りのない、あずき鎖のチェーンです。
真鍮に金メッキを施したもので、長さは38cm。税込1,650円です。
当店では、チェーンの付いていないペンダントトップを扱っているので、そのための一本として置いています。
在庫は10本あるので、トップを買うついでに気軽に足せると思います。

38cmは、鎖骨のすぐ上あたりに落ちます。
短めなので、留め具は首のうしろのいちばん高いところに来ます。
襟の詰まった服だと、留め具が襟に隠れて触りにくくなるので、これから秋冬に使うなら、着ける順番を先にしておくと楽です。
長さそのものの選び方はネックレスの長さの選び方にまとめてあります。
後ろで留められないときの、三つのやり方
一つめ。前で留めて、そのまま回す。
胸の前で留め具を見ながら留めて、チェーンをぐるりと回して背中へ送ります。
私の場合は、これでほとんど解決しました。
細いチェーンでないと回しにくいので、太めのものには向きません。
二つめ。机の上に置いて留める。
着ける前に、テーブルの上でチェーンを輪にしておきます。
目で見ながら留められるので、いちばん失敗しません。
留めた輪を頭からかぶれる長さ(だいたい55cm以上)のときに使える方法です。
三つめ。板ダルマ側を、洗濯ばさみで服に留めておく。
後ろで両端を同時に押さえるのが、いちばん難しいところです。
片方を襟に固定してしまえば、動かすのは引き輪だけになります。
小さな洗濯ばさみやヘアクリップで十分です。
どれも道具を買い足さずにできます。
それでも難しいときは、留め具そのものを変える方向で考えます。
磁石で留まる、という選び方もあります
当店に、磁石で寄り添う気まぐれな距離 ネックレスという一本があります。
シルバー色の猫と黒い猫が、胸元でぴたりと重なってひとつのハートになります。
この磁石は留め具ではなく、モチーフどうしをくっつけるための仕掛けです。
それでも、磁石がどのくらいの力で寄っていくのかが手元で分かるので、マグネット式の留め具を検討している方には、感触の目安になると思います。
近づけると自分から寄っていく感じが、猫らしくてかわいい一本です。
太いチェーンには、大きい留め具が付いています
留めやすさで選ぶなら、少し太めのチェーンにするのが近道です。
当店のプリンスオブウェールズチェーンは、輪が細かく重なった編み方で、シルバー925に金メッキを施しています。
この鎖に付いている引き輪は、ルチカの真鍮チェーンのものより一回り大きく、つまみもはっきり出ています。
50cmと60cmなら、留めたまま頭からかぶれるので、そもそも後ろで留める場面が減ります。
腕まわりでも同じ考え方が使えて、カスタムブレスレットチェーンにはアジャスターが4cm付いています。
アジャスターがあると、引き輪を引っかける輪を選べるので、位置合わせがぐっと楽になります。
留め具が開かない、戻らないとき
引き輪のつまみが動かなくなることがあります。
中に入っているばねの周りに、汗や皮脂、化粧品の粉が固まっているのが原因のことが多いです。
乾いた柔らかい布でつまみの根元をこすって、動くようになれば大丈夫です。
水につけるのはおすすめしません。中まで乾かせないので、かえってばねが弱ります。
つまみを離しても輪が閉じなくなったら、ばねが伸びきっています。ここは直せないので、金具ごと交換になります。
留め具そのものではなく、留め具とチェーンをつないでいる小さな輪が開いて外れることもあります。
そちらはネックレスのチェーンが外れた・切れた時の直し方に、丸カンの開き方と閉じ方を書いています。
外したあとの置き方で、金具の寿命が変わります
外したネックレスを、留め具を開けたままかごに放り込んでいませんか。
開いたままだと、ばねが押されっぱなしになりますし、ほかのチェーンが隙間に入り込んで絡まります。
留めた状態で、輪にしてしまうのがいちばん傷みません。
真鍮の金具は汗で色が変わりやすいので、外したあとに乾いた布でひと拭きしておくと、翌年また気持ちよく使えます。
素材ごとの詳しい話は真鍮のアクセサリーについてとシルバーアクセサリーについてに、しまい方はアクセサリーの保管方法にまとめてあります。
金具の素材でかぶれたことがある方は、金属アレルギーとアクセサリーの素材もあわせてどうぞ。
チェーンだけ買って、トップを選ぶ
当店には、チェーンの付いていないペンダントトップがいくつもあります。
林檎屋のシルバーだと、ハリネズミ、拝みカワウソ、トリケラトプス、マンボウ、アマビエ、じたばたドラゴン、九尾の狐といったところ。
トップとチェーンを別々に選べると、留め具の留めやすさも自分で決められます。
同じトップを、夏は短いチェーン、冬は長いチェーンに掛け替える、という使い方もできます。
贈りものに選ぶならいきものモチーフのギフトと誕生日プレゼントに贈りたいアクセサリーも参考にしてみてください。
おわりに
留め具は、いちばん地味で、いちばん毎日触る部分です。
ここが留めにくいというだけで、そのネックレスは引き出しの奥に行ってしまいます。
形の名前が分かって、前で留めて回すという手があると知っているだけで、出番はけっこう増えると思います。
涼しくなってきたら、しまってあった一本を出してみてください。
首もとが変わると、同じ服でも少し気分が変わります。