指輪の重ね付けのコツ|細いリングの選び方と、回ってしまうときのストッパーリング
八月も後半に入って、夕方の風が少しだけやわらかくなりました。
夏のあいだは手が汗ばむので、指輪を一本だけにしていたんですよね。
涼しくなってくると、また重ねたくなります。
指輪の重ね付けについて、ときどきご相談をいただきます。
「二本つけると、なんだかごちゃごちゃして見える」
「重ねたら回ってしまって、モチーフが手のひら側を向いてしまう」
どちらもセンスの話ではなくて、選び方でだいたい落ち着きます。
今日はそのあたりを、当店の在庫を並べながら書いてみようと思います。
重ね付けがごちゃつくのは、幅と高さのせいです
重ねた指輪がうるさく見えるとき、たいてい原因はふたつです。
ひとつは、幅。
幅のある指輪どうしを重ねると、指の面積の多くが金属で埋まります。
もうひとつは、高さです。
モチーフが立体的に盛り上がっている指輪は、それ自体で十分に主役なので、隣にもう一本を置くと視線が散ります。
逆に言えば、幅が細くて高さの低いものを一本混ぜるだけで、急にまとまります。
細いリングを一本、土台にする
私の場合は、細いリングを先に決めます。
目安として、幅が一ミリ前後のもの。
カザの華奢細ウェーブリング(二千五百三十円)は、商品ページに「一ミリほどの細華奢な真鍮線」と書かれています。
同じシリーズの真鍮トルネード リング(二千五百三十円)も同じ細さで、こちらは線がねじれています。
この細さだと、二本重ねてもまだ指のほうが多く見えます。
そこへ好きなモチーフの一本を足すと、モチーフだけがちゃんと目立ってくれる、という感じです。
同じ指に重ねるか、隣の指に分けるか
重ね付けと言っても、やり方はふたつあります。
ひとつは、同じ指に二本並べる方法。
もうひとつは、隣り合う指に一本ずつ分ける方法です。
カザのひと粒のカットガラスと真鍮のセットリング(四千八百四十円)は、細い真鍮のリングが二本組になっています。
商品ページの着用写真では、石のついた一本を人差し指に、石のない一本を中指にはめていました。
隣の指に分けると、同じ指に重ねるより間が空くので、ずいぶん軽く見えます。
手を広げたときにきれいに見えるのはこちらのほうだと思っています。
同じ指に二本並べたいときは、片方をうんと細くするか、次にご紹介するストッパーリングを使うと落ち着きます。
高さのあるモチーフは、一本だけにしておく
当店の指輪は、モチーフが立っているものが多いです。
林檎屋さんの猫は液体 リングは、商品ページに「高さ三十五ミリ、厚み七ミリ」と書かれています。
指の上に猫が一匹まるごと乗っている大きさなので、これは重ねずに一本で着けたい指輪です。
パルナートポックのオコジョ リングや椿 リングも、モチーフに厚みがあります。
この手の指輪を重ねたいときは、相手をつるりとした細いリングにして、モチーフの隣に静かな面をつくってあげるとうまくいきます。
椿のリングについては椿の指輪の記事にも書いています。
重ねると回ってしまうときは
重ね付けでいちばん多いお困りごとが、これだと思います。
二本着けると指の上で場所の取り合いになるので、片方が押されて回ります。
気がつくとモチーフが手のひら側を向いている、というやつです。
サイズが合っていないというより、二本ぶんの余白が足りていない状態ですね。
当店には、この状況のためだけに作られた指輪があります。
今日のリング「花 ストッパー リング」

パルナートポックの花 ストッパー リングです。
税込二千七百五十円、素材は真鍮、フリーサイズで九号が基準になっています。
商品ページのキャッチが「リングのストッパー役になってくれる影の立役者」で、この一行で役目が全部言えている気がします。
つや消しのゴールドの細い輪に、小さな花がひとつ載っているだけの指輪です。

真上から撮った写真を見ていただくと、輪がつながっていないのが分かります。
両端が行き違うように少し重なっていて、この重なりぶんだけ広げたり狭めたりできます。
サイズの合わない指輪の上からこれを重ねると、指輪が指先のほうへ抜けていくのを止めてくれる、という仕組みです。
商品ページにも「サイズ調整が出来ないリングの上から装着すると、リングが指から外れないようストッパー役となってくれる」と書かれています。
そして同じ説明文に、「単品使いとしては勿論、ファランジリングとして重ねづけを楽しんだりと、幅広い付け方が楽しめる」とも書いてあります。
ゆるい指輪を押さえる道具でありながら、重ね付けの一本としても数えられている、という作りですね。

着けた写真がこちらです。
花の粒がとても小さいので、上に重ねても下の指輪のじゃまをしません。
重ね付けの相手として選ぶなら、ここが大事なところだと思っています。
ストッパーリングは四種類あります
同じシリーズが四つ揃っていて、輪の細さとフリーサイズ九号基準は共通、トップの表情だけが違います。
・花 ストッパー リング(二千七百五十円)小さな花がひとつ
・星ストッパー リング(二千七百五十円)一粒の星
・槌目ストッパー リング(GD)(二千七百五十円)打ち出しの凹凸
・鎚目ストッパー リング(SV)(二千七百五十円)同じ槌目の銀色
槌目(つちめ)というのは、表面を打ち出して細かい凹凸をつける技法のことです。
光が一方向に返らないので、輝きがやわらかくなります。
ひとつ書いておきたいのが、銀色のほうも素材は真鍮だという点です。
商品ページの表記も「シルバーリング」は色の話で、【素材】の欄は四つとも真鍮になっています。
銀色の指輪と重ねたいけれど手持ちがシルバーばかり、という方は、こちらで色を合わせるという手もあります。
真鍮という素材については真鍮アクセサリーの記事に、シルバーについてはシルバーアクセサリーの記事にまとめてあります。
一本で重ね付けに見えるリング
重ねるのが面倒な日もあります。
そういうときのために、はじめから二本つながっている指輪があります。
カザのアライグマと大好きな林檎2連 リング(二千五百三十円)です。
アライグマの顔と赤い林檎が、それぞれ輪を持っていて、二本ぶんが一本になっています。
着用写真を見ると、二本の輪が同じ指にきちんと並んでいました。
回る心配もないので、重ね付けの見え方だけほしい日にはこれが早いです。
サイズは両方とも十一号と決まっているので、そこだけご確認ください。
ピンキーリングとファランジリングを混ぜる
重ねる場所は、指の根もとだけではありません。
小指に着ける小さな指輪をピンキーリング、第二関節に着ける指輪をファランジリングと呼びます。
パルナートポックのクレセントリング(三千七百四十円)は、商品ページで「ファランジリング(関節に付ける指輪)としても使用できるので、夜空や星をモチーフにしたアイテムと重ね付けも◎」と紹介されています。
三号基準のフリーサイズなので、小指にも関節にも回せます。
ほかに小さいサイズで在庫があるのは、この四本です。
・パンジー花畑 ピンキーリング(三号・三千四百十円)
・petit berry ピンキーリング レッド(四号・千六百五十円)
・ブラックメガネ リング(四号・千七百六十円)
・アナホリフクロウ ピンキーリング(〇号から五号くらいのフリーサイズ)
タイニーテイルの二本は、同じデザインが二種類の号数で並んでいます。
・金色の輪郭 ねこリング(五号・二千二百円)と同じねこリングの十号
・小さな月 リング(六号・三千三百円)と同じ月リングの十一号
同じかたちを小指と薬指に一本ずつ、というつけ方ができるのは、号数違いが揃っているからこそだと思います。
フリーサイズを重ねるときに気をつけていること
当店のリングはフリーサイズのものが多いので、ここだけ補足しておきます。
フリーサイズは輪の一部が開いていて、指に合わせて少し広げたり狭めたりできる作りです。
便利なのですが、開け閉めを何度も繰り返すと金属が疲れます。
重ねる日と重ねない日でそのつど調整するのは避けて、着ける指のほうを変えるようにしています。
指の太さは朝と夕方でも変わりますし、その日の気温でも変わります。
ゆるい日はストッパーリングを足す、きつい日は一本にする。
そのくらいの気持ちでいるほうが、指輪も長持ちします。
号数の測り方や調整のしかたはフリーサイズの指輪の記事に詳しく書きました。
外したあとは、一本ずつ離してしまう
重ね付けをした日ほど、外したあとが大事だと思っています。
重ねていた指輪をそのまま同じ場所に置くと、金属どうしがこすれて細かい傷が入ります。
細いリングは特に傷が目立つので、一本ずつ離してしまうようにしています。
真鍮は手の脂や汗で色が変わっていく素材なので、外したらやわらかい布でひと拭きしておくと落ち着きます。
しまい方はアクセサリーの保管方法の記事に、素材と肌の相性については金属アレルギーの記事にまとめてあります。
おわりに
重ね付けと聞くと、たくさん持っていないとできないことのように思えます。
でも実際は、細い一本を足すかどうかだけの話でした。
しかもその細い一本が、ゆるくなって着けられなくなっていた指輪まで救ってくれます。
引き出しの奥で眠っている指輪があったら、上から一本重ねてみてください。
贈りものをお探しの方は誕生日プレゼントの記事やいきものモチーフのギフト記事もどうぞ。
今日ご紹介した花のストッパーリングは、在庫が残り一点です。