【地鎮祭 とは】何をするのか、準備物や儀式の流れ
店舗建築計画が進みまして、先日無事に地鎮祭を執り行うことができました。
早朝は大雨。
夜中には雷も鳴っていましたが、地鎮祭を執り行う10時半頃にはすっかり晴れ渡り雨だったのがウソのような良いお天気に恵まれました。参加して下さっていた建築会社の方々も「今日はどうなることかと心配した」と口々に話していました。
結婚式や自宅の倉庫増設の際の地鎮祭など、過去色々お世話になってきた地元・住吉神社の神主さんにお願いをしました。
神主さんのご指示で、神餞(米・塩・山の幸3種、海の幸3種、畑の物3種、お神酒)を用意。
おもちも必要だとのことを両親に相談しましたら、お店で買ってくるのではなくわざわざ家でお餅をつくと言ってくれまして、年末よりも一足早く餅つきが始まりました。
そして施工業者さんは前日から敷地内を整地してテントを張り、笹竹や注連縄を準備して下さっていました。
地鎮祭の事、ちゃんと分かってる?地鎮祭の基本知識について!
さて当店の地鎮祭は何もわからぬままに業者さんに言われたものを用意して言われたように動いて、訳も分かっていないままに終了いたしましたが、やっぱり意味を知ってから儀式に向かう方が良いですよね。
最近では省略して、行なわない場合もあるとは聞きますが、建築物を立てる際には地鎮祭を行います。皆さんは、地鎮祭を行う準備は万全ですか?地鎮祭の事を理解して、地鎮祭当日をしっかり迎えられるようにしていきましょう。
地鎮祭(じちんさい)とは?
地鎮祭は、土地を購入して、着工する前に行う儀式です。
【地鎮祭を行う2つの意味合い】
1.家を建てるにあたって土地を購入した際に、その土地に住んでいる神様をお祝いし落ち着かせ、土
地を使わせてもらう事に対して神様に許可を得る事。
2.これから始まる工事の安全、そして、家の繁栄を願って祈りする事。
〈地鎮祭の歴史〉
家や施設等を新しく建築する際に、その建物を建築する前に行う祭典です。神社や寺院でも地鎮祭は行われます。これから建物を建築する際の安全祈願のお祭になる為、仏教徒に限らず別の宗教を崇敬している方も、地鎮祭は参列するケースが多いです。地祭(じさい)や地祝(じしゅく)と言われる事もあります。
地鎮祭は、日本では古くからある伝統として伝わる祭典となっています。その歴史は持統天皇(645年~703年)迄に遡り、藤原京を作った際に地鎮祭が行われた事が記録として残っています。日本では、昔から各土地には産土神(うぶすながみ)と言って、それぞれ神様が存在していると信仰されていた歴史があります。なので、産土神へ土地を利用する報告をせずに建築や着工する事に対しては恐れがあったとされています。地鎮祭を行う事で産土神に建築報告、建築物が不幸合わ無い事が願われています。
地鎮祭に必要な物とは?
地鎮祭を行う日程が決定尾したら、地鎮祭に必要な物を揃えて準備しなくてはいけません。昔は自分達で必要な物を揃えないといけませんでしたが、近頃は”地鎮祭セット”が通販で販売されているので、準備も楽に出来るようになっています。また、住宅ハウスメーカーや工務店が地鎮祭用品を全て用意してくれるケースもあるので確認して見ましょう。
施主が地鎮祭で用意する物は、主に土地の神様に捧げるお供え物です。地鎮祭にお供えする、お供え物の事は神饌(しんせん)と言います。
【お供え物として用意する物】
・清酒:
「清い酒」と書いて清酒(せいしゅ)と呼びます。お酒の色が澄んだ透明度の高いお酒の事を清酒と言います。清酒の原材料は、お米、米こうじ、水及び、清酒かす等がお酒の原料になっており、アルコール分22度未満となっています。必ずお酒の原料にお米が使用されている事が特徴です。清酒は、一升瓶で用意をします。清酒には、”のし紙”を必ず付けてもらう事を忘れてはいけません。
・お米:お米は、洗米された物を用意します。お米を綺麗に洗ってざるに上げ、清潔なタオルやキッチンペーパーにお米を広げて、一晩乾かして用意をします。基本的には、洗米されたお米は一合となっておりますが、地鎮祭を行う神社によってはお米の量が異なる場合があるので、前以て施工業者や神社の方に確認をしておくと良いでしょう。
・お塩:建築する土地を清めるの為に必要になります。お塩は、一合用意します。
・お水:お水は、一合用意します。
・海の幸:魚は、めでたい鯛が代表的な物になりますが、鯛に代わる魚でも問題ありません。尾頭付きの魚を用意します。また、昆布・ワカメ・スルメ等、乾物も魚と一緒に用意します。
・山の幸:果物は、季節の果物を用意します。
・野の幸:地面の上に出来るトマトやナス、地面の下に出来る人参や大根等を用意します。
・初穂料:儀式の際に神様に捧げる金品になります。のし袋に入れて2万円~5万円用意します。
・地鎮祭に参列する方の人数分の紙コップ:お酒を飲む為の杯(さかずき)の代わりに用意します。
もし、お供え物を地鎮祭を行ってくれる神主に用意をして頂いた場合には、”御供物料(おくもつりょう)”と言って神主にお礼の持ちをお渡しする事が一般的となっています。
業者に確認する事とは?
施主は主にお供え物を用意しますが、業者も地鎮祭にあたり色々と用意をしてくれます。
【業者が用意する物】
・紅白幕
・テント
・椅子
・竹
・しめ縄
・砂
・鎌(かま)
・ 鍬(くわ)
・鋤(すき)
・祭壇 など
紅白幕、テント、椅子等に関しては、設営が地域によって異なってきたり、地鎮祭の規模によっても有無があるようです。これらは、基本的に住宅ハウスメーカーや工務店が用意をする物になるので、地鎮祭を行うにあたり業者に一度確認してみると良いでしょう。これらの設営があった方が、地鎮祭と言う雰囲気は出ますが、特に設営が無いからと言って地鎮祭に問題がある訳ではありません。
また、祭壇に関しては神社で借りる事が出来たり、施工者の方で持っている場合もあります。なので、祭壇についても一度業者の方に確認してみましょう。
〈竹の設置方法〉
竹は基本的に、青竹・笹竹が4本用意されています。竹はしめ縄を土地に張り巡らせていく際に、四方の支柱として活用します。着工する土地の中央部分に、約180cm〜270cm位を目安に四方に竹で支柱を立てます。
〈祭壇の設置方法〉
祭壇は、南向き、または、東向きにしつらえを行います。
〈しめ縄の巻き方の決まり〉
しめ縄として活用される縄は、基本的に一般的な荒縄で問題ありません。しめ縄には紙垂(かみしで)を付ける必要があり、半紙か奉書紙で紙垂を作ります。
しめ縄の巻き方ですが、南向に祭壇が設置されている場合は北東の角から時計周りに張っていきます。また、東向きに祭壇が設置されている場合は北西の角から時計周りに張っていきます。
〈盛り砂の方法〉
祭壇の右手前にバケツ3杯程の砂を円錐形に山盛りにして設置します。
〈鍬(くわ)使用方法〉
穿初(うがちぞめ)、刈初(かりぞめ)という儀式があり、その際に初めて鋤(すき)や鍬(くわ)を着工する土地に入れる際に使用する物になります。昔は白木で作られた物を使っていましたが、今は新品を用いる事が主流となっています。
地鎮祭の当日の流れとは?
地鎮祭は約1時間半程の祭典になります。では、地鎮祭の当日の流れを順に追って説明していきたいと思います。祭典の流れをしっかり把握していきましょう。
①入場・はじめの言葉
②修祓の儀(しゅうばつのぎ)
神主がお祓いを行い、祭壇、土地、参列者をお清めします。全員起立して拝礼を行います。
③ 降神の儀 (こうしんのぎ)
神様を祭壇にお迎えする儀式で、全員起立して行います。
④献饌 (けんせん)
神様にお供え物をする儀式になります。
⑤ 祝詞奏上(のりとそうじょう)
神主が神様に祝い・祈りの詞を捧げます。
⑥切麻散米(きりぬささんまい)・四方祓い(しほうばらい)
神職が工事を行う土地を清め、工事の無事を祈願します。
⑦地鎮の儀 (じちんのぎ)
1.草を刈る:刈初(かりぞめ)
2.初めて土をおこす:穿初(うがちぞめ)
3.初めて土をならず:土均(つちならし)
1~3の順で行っていきます。最後は、神職が鎮め物を納めます。
⑧玉串奉奠 (たまぐしほうてん)
神前に玉串を捧げ、謹んで供えます。
⑨撤饌 (てっせん)
お供え物を祭壇から下げます。
⑩昇神の儀 (しょうじんのぎ)
お迎えした神様にお帰り頂く儀式になります。
⑪直会(なおらい)
神酒拝戴 (しんしゅはいたい)と言う御神酒を参列者全員で頂きます。
⑫閉式の辞(へいしきのじ)
地鎮祭の閉会式です。これで地鎮祭は終了となります。
※閉式の辞が終了したら、初穂料やお祝儀をお渡しします。
地鎮祭当日の服装とは?
地鎮祭当日の服装ですが、施主は基本的には何でも良いとされています。しかし、土地の神様をお迎えして行われる儀式になるので、節度のある服装である方が好ましく、正装での参列が一般的になります。正装とは、スーツにネクタイと言ったスタイルです。施工会社や工事業者の場合は、作業制服で地鎮祭に参列するケースが多いです。
【服装参考】
学生で地鎮祭に参列する場合:学生服を着用しましょう。
成人男性の場合:スーツが妥当です。クールビズでも問題ありません。
成人女性の場合:襟付きシャツ×ジャケットが妥当です。キレイめな格好である事が大切です。
まとめ
地鎮祭は施主・施工者にとって大事な祭典です。地鎮祭に必要な事を押さえて、当日余裕を持って祭典を行うことが出来るように、恥ずかしい事がないようにしておきましょう。