迷子メール
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神奈川県 A藤 様

2019年4月3日にご注文いただきました神奈川県のA藤様。

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【ねこの去勢・避妊手術】うちの猫のお嫁さん

オスの黒猫を飼っています。名前はクロワッサン。元は野良猫でした。
ある日、庭に入り込んで来ていました。
 
クロワッサンの庭
 
真っ黒で、よく見かける普通のネコよりちょっと尻尾が短い。
まだ子猫で、ガリガリなお腹を見ると野良なのは一目瞭然。
浮き出た肋骨を撫でると、生まれつきの奇形なのかどこかで打ち付けたせいのか、骨の形が左右対称じゃ無くてゆがんでいる感じ。
 
だけど最初から足下にまとわりついて「撫でてちょうだい」「ご飯をちょうだい」と、とんでもなく人なつっこいネコでした。歩くと付いてきて、踏み出そうとしている足の先に飛び出してくるので一歩ごとに踏んでしまいそうになります。
足下にまとわりつきすぎてMさんを転倒させた事件も起きました。それ以来クロワッサンはMさんには嫌われています。
 
 

猫と私

 
私が子供の頃からずっとねこを飼っていました。ですが、クロワッサンが庭に迷い込んできた当初は飼っていませんでした。飼いたかったけれどペットショップで買う気は無く、保護施設から譲り受けるとか、赤ちゃんが生まれて困っている人から声がかかるとか、野良猫が迷い込んでくるとか、偶然の出会いを待っていました。
 
そこにひょっこりやってきた人なつっこい猫。
うちにキャットフードが無かったのを知ってYさんがわざわざ買ってきてくれました。
撫でて欲しいのか餌が欲しいのか分らないけれど、人を見ると寄ってきてにゃーんと鳴くので、おとうさんが鳴く度に餌をあげ、すっかり太ってまん丸のお腹に。ちょっとゆがんだ風の肋骨が見えることも無くなりました。
 
両親が部屋で作業中、机の上に座布団を敷いて貰ってそこに寝転び、一緒に居る様子はほほえましいものがあります。
 
 

猫のお嫁さん

 
ある日スタッフPが言いました。
 
裏の山道で10日ほど前に猫を見かけた。2回ぐらいその辺をウロウロしているのを見かけた。
 
猫が居たことを私に言うと、きっと探しに行くに違いないと思って、しばらく黙っていたそうです。なぜ猫が居たことを早く言わないのかとPを呪いながら、猫を探して裏山を歩き回りましたが見つからず。1時間ぐらい山道を探し歩き、キジやら野鳥はたくさん見かけましたが肝心の猫は立ち去ってしまったようで見つけられずに帰ってきました。10日も前の話なら仕方ありません。

ところが次の日の朝起きてみると、猫が二匹になっていました。
白黒のハチワレ猫。クロワッサンよりちょっと小さめの子です。Pに確認すると、以前山で見かけた猫のように思うとのこと。探されているのを知って、わざわざ家までやってきてくれたのに違いありません。
 
野良猫
 
これまでクロワッサンはよその猫がうちに来ると、全て激しく威嚇して追い払ってきました。夜中に猫が争う声を何度か聞いたことがあります。
ですがこの小さめのハチワレ猫に対してはすっごく優しくしてあげています。餌を食べさせてあげ(餌をあげたのは父ですが)、隣に並んで寝転び、石灯籠の上に一緒に座って日向ぼっこをし、肩に手を掛けたりじゃれかけたりしてすごく仲良さげな様子です。
 
これはどう考えてもクロワッサンに彼女ができてしまったと思いました。
飼い猫になって数ヶ月が経ち、すっかりふてぶてしくなってしまったと噂のクロワッサン。赤ちゃんの頃はあんなにすり寄ってきていたのに、今では呼んでもちょっとこちらを向くぐらい。転ばされた経験のあるMさん曰く「近頃は私が呼んでも振り向きもしなくなった」と不評です。(笑
そのふてぶてしくなったクロワッサンがかいがいしくお世話してうちに連れてきたなんて、こちらとしては彼女を紹介された両親の心境です。
 
飼い猫と野良猫
 
クロワッサンに彼女ができたのは良いのですが、内心焦っていました。実はクロワッサンはまだ去勢手術を受けていなかったのです。飼い始めた時に、早めに受けさせないといけないなと思ってはいたのですが、メスでは無いのでうちで赤ちゃんを産むことが無いだろうと高をくくっていて、ちょっと放置していた問題だったのです。
 
猫は交尾してから排卵するので妊娠率は90%ほど。ほぼ確実に妊娠します。
こんなに仲むつまじくしているご夫婦は(私の仲ではもう夫婦扱いになっています)確実に妊娠間近に違いありません。
今更クロワッサンを去勢しても遅い気がしまして、まだ飼い猫になるかどうか微妙なラインのハチワレねこちゃんの方に避妊手術を受けさせることにして動物病院に予約の電話を入れました。
 
 

野良猫の捕獲

 
手術を受けさせようと決めたとき、まだこのハチワレちゃんは懐いていません。人間を見て逃げてしまったりはしませんが、緊張して逃げる準備万端。絶対近くには寄ってきません。
 
病院に連れて行くためには捕まえないといけないので、少しづつ手懐ける作戦を進めました。

しゃがんで姿勢を低くし(猫は優位に立とうとするとき相手より高い位置に居ようとします)敵意が無い事を示し、遠くから煮干しを見せつつ寄ってくるのを待つ。幸いクロワッサンといつも一緒に居るので、ワッサンが寄ってきて煮干しを食べ、寄ってきても問題が無いというお手本をハチワレちゃんに見せてくれます。
 
ワッサンが煮干しを食べている間、ハチワレちゃんは遠くから右へ左へと移動しながらジグザグに近づいてきました。だんだん距離を縮め、最後は私とワッサンの間をサッとすり抜け、私の手をかすめていきました。まだ煮干しは食べてくれません。
 
次の日も私は煮干しを握って遠くで構えます。
寄ってきてくれないので煮干しを地面に置いて近くで眺めていると、ワッサンの隣で食べ始めました。手を出すとサッと後ろに下がってしまいます。
 
これを何回か繰り返して煮干しが美味しいこと、人に攻撃する気が無さそうなことを理解しただろうと思った頃、煮干しを地面に置くのを止めて手に握ったまま寄ってくるのをじっと待ちました。最初、寄ってくるのは本意では無さそうな様子を見せていましたが、煮干し欲しさについに手から食べてくれました。
 
手から食べてくれると、その後は頭を撫でてみたり身体に触ってみたり抱っこしようとしてみたりと徐々に慣らしていきました。
 
手術前の夜はご飯をストップ、当日は水をやらないようにしないといけません。なのでカゴに入れて勝手に餌や水を食べないようにしたいのですが、触ることは許してくれてもケージに入れることを許してくれるとは思えません。触れるようになったところでいきなり捕まえてケージに入れるしか手はないと考えていました。
捕まえないといけないので、朝晩どこに居るのが定位置になっているのか調べ、慣らしつつ期を待ちます。
 
そして手術前日。触らせてはくれますが、まだ抱っこはいやがる状態です。しかしとにかく捕まえないといけません。
嫌がる隙を与えずさっと抱え込んでケージに突っ込むことに成功、無事確保!予想通りケージに入れられているのは嫌がりニャーニャー鳴いていましたが、ケージの隣にクロワッサンに座っていて貰うと比較的大人しく一晩過ごしてくれました。
 
 

動物病院へ

 
ご飯も水も指定された時間以降与えないことに成功し、翌朝病院へ連れていました。比較的落ち着いた状態で連れて行くことができました。
 
ところが待合室にブルドッグさんが診察を待っておられて、その子がハチワレ猫を見て吠え、ハチワレちゃんはすっかり怯えてしまいます。それまで静かにしていたのにずっとニャーニャー鳴くようになってしまったので、順番が来るまでずっとなで続けることになりました。撫でていると安心なようで黙っているのですが、撫でるのを止めるとまた鳴き始めます。
 
診察台に来て初めてふと気になり、先生に確認しました。
「この子は女の子ですよね?」
 
するとなんと「いや、この子はオスですね!」とおっしゃるではありませんか。
クロワッサンがハチワレちゃんをレディーとして扱っていたので、すっかり女の子だと思い込んでいました。お尻の辺りも見てはいたのですが、まだ小さいのでそんなに玉が目立たなかったのと、ワッサンの扱いからもう完全に女の子に違いないと思い込んでいて…なんてこと。 

びっくりしている様子を見て、先生が「どうされますか?手術してよろしいですか?止めますか?」と私の返事を待っています。
 
妊娠している可能性が無いのであれば、まだ半野良のハチよりも確かにうちの子であるクロワッサンを手術した方が良いと思って、「この猫では無く、別の猫にしても良いですか?」とお願いして、急遽クロワッサンが去勢手術を受けることになりました。
 
ワッサンはケージに閉じ込められ、明らかに怒っています。
ハチワレちゃんには何日も前から
「もしもうちの子になるのなら嫌かもしれないけれど避妊手術を受けないといけないよ。痛いと思うけれどもいずれ痛みは無くなるからね。もし手術が嫌なら○日までにうちから居なくなっていないといけないよ。その日以降にまだいるようなら私が病院に連れて行くからね。わかったね。」
と何度も言い聞かせていたのですが、ワッサンには何にも伝えておりませんでした。なんにも聞いてないのにいきなりケージに閉じ込められて病院に連れて行かれたら誰だって嫌なはずです。申し訳なかったですが、突如事情が変わったので我慢していただくしかありません。
 
 

去勢手術後

 
手術は無事に終了し、帰宅。術後は朝晩薬を飲んでいただかなくてはいけません。いきなり病院に連れて行っただけでも嫌われたと思いましたが、得体の知れない粒を朝晩口に突っ込まれたらますます嫌に違いありません。
すっかり嫌われることを覚悟し、朝晩ワッサンの口に半分に割った粒をつっこみました。
 
するといつも家の周辺でウトウトしていたのに薬の時間には姿を消すようになりました。昼頃になると目の届く場所に座っているようになったので、朝晩薬をやることができなくなり、姿を現すお昼に一回あげることになりました。
 
その後もワッサンは嫌なことばかりしてくる私をそれほど嫌うことなく、撫でさせてくれるのでホッとしています。
 
オス二匹のこの不思議なカップルは手術後もますます仲良く、並んで歩いたりしっぽをかじって遊びに誘ったり、並んで寝たりとても仲が良く、微笑ましい様子。ワッサンを嫌っているMさんも仲睦まじい二匹をセットで見かけるのは好きらしく、「今日も居るかな」と姿を見るのを楽しみにしているようです。
 
仲良しの猫二匹 仲良しの猫二匹
 
 

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